転職による会社退職時の流れと手続|スケジュールと必要な手続を網羅して解説[PR]

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厳しい転職活動に成功して希望が叶い、退職の決意も固まったものの、実際に会社を退職するのは初めてという方も多いはず。すると、どんな手続を取ればよいか分からず思い悩んでしまうかもしれません。

転職が決まったけど、退職ってどうやってすればいいんだろう・・
流れとか手続きもイマイチわからないな。

この記事では、転職する方が今の会社を退職する時に行う必要がある手続その他の流れを解説します。 スケジュール感を持って必要な処理を済ませ、新しい環境にスムーズに移行しましょう。

退職手続の基本的なスケジュール

退職手続全体のスケジュールを立てる前に、今の会社の就業規則と転職先の労働条件通知書の内容を確認しましょう。

  • 今の会社の就業規則

普段なかなか目にしない就業規則ですが、法令上は労働者に周知されなければなりません(労働基準法106条1項)。見やすい場所への掲示や備え付け、PCによる確認などの方法がとられています。


就業規則には、退職に関する事項が必ず記載されています(同法89条)。どんな場合に退職となるのか、例えば、退職願を提出する必要があるのかといった条件等が定められています。

  • 転職先の労働条件通知書

転職先の労働条件通知書はどうでしょうか。書類の名前は「内定通知書」「雇用契約書」など様々ですが、法令上、会社は入社する人に対して労働条件を書面で明示しなければなりません(同法15条1項)。


採用担当者から口頭で伝えられただけといった場合は、言い出しにくいかもしれませんが、「念のために…」などと断わって、書類の形になったものを入手しましょう。


労働条件通知書には、労働契約の期間がいつから始まるか、つまり入社日が明記されています。また、社会保険への加入状況や雇用保険の適用の有無も明示されているのが一般的です。

  • 退社日と入社日の間を空けない

これらの内容を確認した上で、転職先の入社日の前日に今の会社を退職できるようスケジュールを組み立てます。退社日と入社日の間が1日でも空くと、手続がグッと煩雑になってしまうからです。
また、今の会社での社内手続もスムーズに進めることができるでしょう。

2ヶ月前〜

退職日の何ヶ月前から準備するべきかは、今の会社の風土や自分自身の処理能力によるところもありますが、一般的な2ヶ月前からのスケジュールで退職の意思表示から退社当日までの流れを解説します。

退職の意思表示

まず、何にも優先して、今の会社に対して退職の意思を表示しなければなりません。


「学生がバイトをバックれるんじゃないんだから」という社会人としての当然のマナーでもありますが、意思表示しないことには退職の効果は有効に生じません。会社との退職交渉もできません。

退職する意向は、必ず直属の上司に最初に伝えます。


いきなり人事総務担当部門に申し出たり、親しい人も含めて同僚に先に漏らしたりしてはいけません。それを知ったら直属上司も良い気はしないでしょう。退職交渉にも響かねません。

一般的に、退職交渉の窓口となるのは直属上司です。退職するための会社との間の調整を依頼しましょう。


その後も逐次、進捗状況を上司に確認します。退社日が迫っても何も進んでいなかったなどということのないよう気を付けるのが大切です。

退職交渉

  • 直属上司と1対1の場を設ける

直属上司に退職の意思表示をする時は、自分と上司が1対1で話せる場を設けましょう。


業務中の職場内や、職位にかかわらず別の社員が同席する場は避けます。職場の雰囲気を乱したり、第三者から意見を述べられるなど、余計な要素が紛れるリスクがあるためです。

上司にもスケジュールがありますので、急に言われても時間を取るのは難しいでしょうし、重要な用件であることが伝わりません。


そこで例えば、朝一番に都合を尋ね、折り入って話す時間を取って欲しいと申し出るのはいかがでしょう。そして、上司の都合が良い時間に空いている会議室等の場所を確保してしまうのです。

  • 揺るぎない姿勢で退職の意思と退職日を報告する

上司の側も何らかの重大な話であることは察していることでしょう。しかし、当事者である自分が明確な意思を持った態度で臨まなければなりません。

まず、この話は「辞めようかどうか悩んでいる」といった類の相談ではなく、決めたことの報告であることを明瞭に伝えるべきです。婚約したことを報告するように。

そして、転職先の入社日の前日として決めた退職日を「○年○月○日をもって退職します」と確実に伝えます。結婚式の日取りを知らせるぐらいに。

その上で、退職するに当たって必要になる会社との調整を依頼するのです。

  • 会社の慰留や引き止めには冷静に対応する

当然、上司は退職する理由を聞くでしょう。その際は、あくまで個人的な理由として「自分が今後やりたい○○をするため」などと一般的、抽象的に答えましょう。

退職理由を伝えつつ上司や会社に対する感謝や敬意を示すことが大切です。仕事の負荷、給与その他の待遇等々、不平不満などの本音を晒すのは適策とは言えません。

本音に基づいて具体的な理由を述べてしまうと、雰囲気がネガティブになりがちで、退職交渉に影響が及ぶ可能性もあります。また、その理由を逆手に取って、慰留、引き止めの材料にされるかもしれません。

退職を思いとどまるよう慰留されると、「やはり自分は会社にとって必要な人材だったんだ」などと感じ、少なからず良い気分になってしまうものです。
しかし、ここでは浮かれることなく、会社側の意図を冷静に考える必要があります。

つまり、待遇面の改善にせよ何にせよ、あなたを慰留するに当たって会社から提示される条件は、あなたが退職という最大の切り札を切らなければ引き出されることはなかったのです。
これに応じて今の会社に残る選択は、果たしてあなたにとって合理的と言えるでしょうか。

1ヶ月前〜

退職届の提出

正式な退職届を直属の上司に提出します。このときに「退職願」と混同しないよう注意する必要があります。
退職届と同じく、退職願も退職の意思を表示してはいますが、「退職させて欲しい」と会社に願い出る趣旨の文書です。そのため、会社に承認されない限り退職の効果は生じません。


他方、退職届は「退職します」という一方的な意思表示で、2週間の経過によって退職の効果が生じます。

引継の開始

自分が担当していた業務を後任者に引き継ぎます。後任者が困らないように分かりやすく文書化するなど工夫して、事前に引継資料を準備しておきましょう。

後任者が決まっているか、後任者が誰かとは関係なく、業務の引継ぎは社員個人間ではなく所属組織に対して行うのが基本的な考え方です。

したがって、業務を引き継ぐ後任者が決まっていない場合には、引継資料を所属部門の上司に提出するなどして、組織への引継ぎを完了させましょう。

ちなみに筆者も以前、退職する間際になっても誰が後任者になるか決まらなかった経験があります。仕方がないので、担当業務のマニュアルを添付した所属課長宛の引継書を作成して提出しました。

2週間前〜

社外との取引関係がある場合には、職種にかかわらず退職の挨拶をしましょう。挨拶を始める時期は、上長が退職を公表してよいと判断してからです。

挨拶のポイントは、これまでお世話になった御礼はもちろん、退職時期、後任者は誰になるか、引継後の取引関係に変化があるかどうかを伝え、引き続き良好な関係のお付き合いをお願いすることです。

営業職など、実際に対面する機会の多い職種の場合は、挨拶回りに後任者が同行するのが望ましいでしょう。きちんと後任者に引き継がれたことも分かり、早めに信頼関係を構築するのに役立ちます。

事務職など、取引先等と直接に会わず電話やメールでの連絡が多い職種の場合には、メールによる退職挨拶でも差し支えありません。

なお、退職の理由や転職先については、「一身上の都合で」「〜業界の会社」程度の答えにとどめましょう。
情報がどう伝播するかは分かりません。会社の評判や転職後の仕事に影響が及ぶこともあり得るので注意が必要です。

退社当日

退社当日はソワソワと落ち着かない気持ちになるものですが、必要なことに抜かりのないよう気を付けましょう。

  • 社内への挨拶

お世話になった社内の方々への挨拶はとても重要です。全員にという訳にはいきませんが、思い出話などを交え、個別に感謝を伝えるのが社会人としての礼儀です。

直接に挨拶できない場合には、挨拶メールを送る方法もあります。上司や同僚で個別に送るものと、一斉送信で送るものの内容は別個に作成して送ります。


一斉送信のタイミングは社内の慣例に従いましょう(前例がない場合は終業時間直前が望ましいようです)。

  • 必要書類の受領

退職に伴う次の書類等を忘れずに受け取りましょう。

  1. 雇用保険被保険者証
  2. 源泉徴収票
  3. 年金手帳

それぞれの内容や入手方法については後述します。

  • 備品、貸与品、業務書類等の返却

会社の備品、貸与品等、次のものを忘れず会社に返却しましょう。

  1. 身分証明書(社員証、入館証など)
  2. 名刺
  3. 健康保険被保険者証(扶養家族がいる場合は全員分)
  4. 会社から貸与されたPCその他の業務用備品
  5. 業務上作成した資料やデータ

お世話になった会社に迷惑が及ぶ事故等を防止するためにも肝に銘じましょう。

退職に伴う社内手続

退職届の提出

繰り返しとなりますが、本記事は、退職の意思表示のため会社に提出する書類として退職届をお勧めしています。退職願ではなく退職届です。


退職届は一方的に退職の意思表示をするもので、2週間の経過により退職の効果が発生し、会社の承認を必要としません。


極端な話、「○月○日で退職します」と1本メールすれば、2週間後には退職となるわけです(やってはいけません)。

このように強力な効果があるのは、民法に定められた雇用の解約手続だからです。
民法では、解約の申入れ(退職届提出の日)から2週間を経過することによって契約が終了すると定められています(民法627条1項)。


ただ、この規定が就業規則に定められた退職手続の内容と重複したり相反する場合もあります。
例えば、一般的な就業規則では、1〜2ヶ月前に退職願を提出しなければならないなど、ある程度前もって退職を申し出るよう規定されています。


しかし、就業規則よりも民法が優先するため、退職届の提出による退職意思表示が有効となります。

もっとも、就業規則の中で退職の意思表示から退職まで一定程度の期間を設けているのは、退職に伴って会社に生じる様々な調整を行うための期間を確保する意義があると考えられます。


ですから、お世話になった会社の就業規則も尊重し、前述のとおり2ヶ月前には退職の意思を表示し、1ヶ月前には正式な退職届を提出するのが穏当な対応でしょう。

退職の効果を確定させる重要な書類ですから、退職届には退社日(○年○月○日をもって退職すること)を明確に記載するよう、くれぐれも注意しましょう。

税の納付に関する調整

会社が関係している税金には所得税と住民税があります。どちらも給与から「天引き」されて会社が預かり、本人に代わって納付するという点では共通しています。

詳細は後述しますが、所得税については年末調整を行うために、今の会社が発行する源泉徴収票が転職先で必要になることに注意しておきましょう。

都道府県と市区町村に納める住民税についても後述しますが、前年の所得に基づいて課税された額を6月から翌年5月に分けて納めるという特徴があります。


退職する時期によって、いつ誰がいくら納税するのかが異なり、退職する会社と同意しておく必要のある事項が発生します。

しかし、転職する場合には、会社による「特別徴収」(「天引き」方式)をそのまま転職先へ「引き継ぐ」ことが可能です。このことについても後述します。

退職関係書類発行等の申込・受領

離職票

離職票は、退職者が雇用保険の失業手当を受給するときに必要となる書類で、退職者の請求によって会社が交付するものです。そのため、転職先が決まっている場合は基本的に必要ありません。

しかし、万が一、転職先を1年未満で自己都合により退職するような場合に使用する必要が生じる可能性があります。


失業手当を受給する条件の1つに、雇用保険被保険者だった通算期間がありますが、離職票に記載された期間を加えると失業手当が増額となる場合があるからです。

また、転職先によっては、今の会社を退職したことを確実に証明する書類として離職票を提出する必要がある場合もあります。これは事前に転職先に確認しておきましょう。

通常、離職票は退職後2週間から1ヶ月で会社から自宅に郵送されます。
退職を証明する書類が退職当日にどうしても欲しいという場合には、退職証明書を発行してもらえるよう人事総務担当部門に事前に相談しておきましょう。

雇用保険被保険者証

雇用保険被保険者証は、入社時に雇用保険の手続が完了した時、紛失を防止するため、多くの場合は会社側で保管されています。

そこで、まずは人事総務担当部門に雇用保険被保険者証が保管されているか確認し、保管されていれば退職当日に返却されるよう事前に依頼します。


もし会社では保管しておらず、自分の手元にもない場合には、最寄りのハローワークで即日再発行してもらうこともできます。

雇用保険被保険者証は雇用保険に加入していることを証明する書類で、転職先の所在地を管轄するハローワークで雇用保険の再開手続を行うために使用されます。


もっとも、再開手続で必要になるのは「被保険者番号」だけなので、雇用保険被保険者証の原本がなくとも番号が分かれば手続自体は可能です。
何らかの方法(コピーやスキャンデータが見つかったなど)で番号が分かるときには転職先に相談する余地があります。

年金手帳

年金手帳は、転職先で健康保険や厚生年金に加入するために必要となります。
通常、年金手帳は入社時に会社に預けてありますので、退職当日に返却されるよう人事総務担当部門に事前に依頼します。

年金手帳を会社で預からない場合も稀にあります。しかも自分の手元にも見当たらないときは、自分の住所地を管轄する年金事務所に年金手帳の再交付を申請できます。


申請も受取りも郵送で行うことができますが、申請から通常2週間、長ければ1ヶ月程度の期間を見込む必要があります。
ですから、退職の1ヶ月以上前には、年金手帳を会社で預かっているかどうかを確認しましょう。

もっとも、転職先の会社での手続で必要となるのは、年金手帳に記載された「基礎年金番号」だけなので、転職先によっては、基礎年金番号だけ分かれば年金手帳の提出を不必要としてもらえる余地はあります。


その場合は、自分の住所地の役所の国民年金担当部門や年金事務所に直接出向き、基礎年金番号が分かる書類を発行してもらい、自分の基礎年金番号を調べましょう。

ちなみに私もブランク後の再就職の際、年金手帳が見当たらず困った経験があります。


そのときは、平成28年度の「ねんきん定期便」に載っていた基礎年金番号をコピー用紙に手書きで書き写して提出しました(フランクな職場だったので許されたのかもしれません…)。

源泉徴収票

源泉徴収票は、転職先の会社が所得税の年末調整を行うために必要となります。退職当日に発行してもらえるよう人事総務担当部門に依頼しておきます。


発行にかかる期間は会社によって異なり、依頼して即日に発行できる場合、2週間程度かかる場合など様々です。できるだけ早めに確認して、退職当日に受け取れるよう調整しましょう。

転職先への入社が年始の場合、転職先の会社が年末調整するに当たって今の会社での源泉徴収額は必要ないので提出する必要はありません。

退職に伴う公的手続

健康保険の切替え

日本では1961年以来、お互いの医療費を支え合う国民皆保険制度が導入されており、全ての国民は必ず何らかの公的医療保険に加入しなければなりません。

会社が費用の一部を負担して従業員に提供している社会保険の1つが健康保険です。
会社によって加入している健康保険は様々で、1企業で組織された健康保険組合や、同じ業界等の企業で組織された健康保険組合、「協会けんぽ」と呼ばれる全国健康保険協会があります。

健康保険の脱退手続

退職の意思表示後、退職交渉の期間中に、現在利用している健康保険を脱退する手続を人事総務担当部門を通して行います。健康保険組合と直接やり取りする場合もあります。

転職先での加入手続

入社時、転職先が構成している健康保険組合に加入する手続を行います。多くの場合は、本人が申し出なくとも人事総務担当部門が手続を進めてくれますが、被扶養者がいる場合には、健康保険被扶養者(異動)届を作成して提出しましょう。

会社から健康保険組合への加入手続が完了すると、新しい被保険者証(「保険証」)が交付されます。

健康保険切替えの注意点

  • 退社日と入社日の間を空けない

退職するまでは、今の会社が加入している健康保険組合の被保険者ですが、退職してから転職先に入社するまでに1日でもブランクが空くと必要な手続が増えます。


ブランク期間は、国民健康保険に加入するか、今の会社の健康保険の「任意継続」制度を利用するか、家族の健康保険の被扶養者になるかを選択し、それぞれ必要な手続を済ませなければなりません。


本記事がブランク期間のない退社と入社をお勧めするのは、このような煩雑な手続を最小限にし、新たな環境でスムーズなスタートを切るためです。

  • 退職時に保険証を必ず返却する

前述のとおり、健康保険被保険者証は退職時に必ず返却しなければなりません。

それでも、退職時に返却し忘れ、何らかの行き違いで会社からも催促されず、自分が所持したままということも現実には起こり得ます。


気付いてすぐに返却すれば特に問題はありません。しかし、転職先の新しい健康保険証が交付されるまでは手元に健康保険証がないため、未返却の健康保険証を医療機関で提示してしまうケースがあります。

退職した会社の健康保険は既に脱退しているので、医療機関が健康保険組合に請求して支払われた分の診療報酬額を健康保険組合から返還請求されます。


ここで返還した金額はは立替払いで、転職先で新しく加入した健康保険組合に申請することで戻って来ます。ただ、両方の健康保険組合に迷惑をかけ、自分も一時的な金銭負担と厄介な手続で悩まされることになります。

更に、返却し忘れた健康保険証が有効でないことを分かっていながら繰り返し利用したような場合には、詐欺罪に問われる可能性さえあります。絶対にやめましょう。

  • 健康保険切替えは放置しない

ほとんどの場合、転職時の脱退手続も加入手続も、それぞれの会社の人事総務担当部門が主導してほぼ「自動的」に完了します。しかし、この健康保険切替手続にあまりに無自覚でいると、いつ間にか無保険者になってしまう可能性があります。

例えば、転職先との契約内容で社会保険が無いことを見落とし、退職時に健康保険を脱退したままでいると、どの保険にも加入していない状態になり、医療費が10割負担となってしまいます。

余計な支出が生じたり、本来は必要なかった手続に忙殺されないよう、健康保険の切替えを放置することのないようにしましょう。

年金の切替え

転職に当たって退社日と入社日の間にブランク期間がない、または退社日と入社日が同月内の場合、転職先に年金手帳を提出すれば(場合によっては基礎年金番号を伝えるだけで)、転職先の担当部門が切替手続を行ってくれます。

退職時すると厚生年金の資格を一時的に喪失しますが、転職先での厚生年金に加入すると、退職した会社で厚生年金に加入していた期間が通算された上で厚生年金の被保険者資格が継続します。

企業年金や確定拠出年金等、いわゆる「3階建て部分」については、加入している年金や本人の運用形態によって全く異なります。転職に伴ってどのような手続が必要となるかを事前に確認しましょう。

マイナンバー

退職時の手続ではありませんが、転職先で健康保険や厚生年金等に加入する手続にはマイナンバー通知カードまたはマイナンバーカードが必要です。
どちらもない場合には、自分の住所地の役所で再交付を申請することができます。

税金に関する手続

給与明細の項目を見ると、所得税と住民税が給与からの控除額として記載されています。会社が給与から「天引き」して税額分を一旦預かり、本人に代わって会社が納付しているのです。


源泉徴収票の「源泉徴収額」欄には、会社が代わりに納付した所得税額が記載されており、住民税額は含まれていません。


源泉徴収票は複写式になっており、本人に交付されるものとは別に、同じ内容が記載された「給与支払報告書」が住所地の市区町村に提出されます。これが各市区町村が住民税を算定する資料の1つとなります。

所得税に関する手続

  • 年末調整が必要となる背景

所得税は1年間の収入に対して課税されますが、12月の給与計算が終わって1年間の総支給額が確定しないと、所得税額を確定することはできません(複数の会社から給与収入がある場合ならなおさらです)。


年末に確定したはいいものの、1年分の所得税を1回で納付するのは大きな負担です。そこで、あらかじめ毎月の給与から所得税分を給与から控除して会社が預かり、本人の代わりに納付する運用となっています。


ところが、この毎月の源泉徴収額はあくまで給与額による概算払い額なので、12月に年間の所得税額が確定すると、生じた差額を調整する必要があります。これが年末調整です。

  • 源泉徴収票を提出する理由

年の途中に転職した場合、転職先が年末調整するためには、転職先が支払った給与の総支払額や転職先での源泉徴収額では足りず、退職した会社で納付した源泉所得税額が必要です。


そのため、退職した会社から発行された源泉徴収票は早急に提出しておきましょう。

転職先に源泉徴収票の提出が遅れて年末調整ができないと、翌年の3月15日までに税務署への確定申告を自分で行わなければなりません。


その際には、両方の会社が発行した源泉徴収票を利用することになります。

住民税に関する手続

住民税は、住所地の都道府県と市区町村に納付する「地方税」です。所得税と異なり、前年の所得に応じて課税され、6月から翌年5月にかけて納付します。


所得税の源泉徴収義務がある会社は、住民税についても給与から控除して本人に代わって市区町村に納付する「特別徴収義務者」で(地方税法321条の4)、会社に勤務して給与が支払われている形態では「特別徴収」が大原則です。

  • 退職に伴う一般的な処理

一般的には、退職者の徴収方法は退職の時期によって異なります。

6月1日から12月31日までに退職した場合、会社によって特別徴収できない残額が生じます。この残額については「普通徴収」に切り替えることになり、本人が直接納付します。


このとき、本人が特別徴収の方法で徴収して欲しい旨を申し出ると、最後の給与や退職金等から一括して特別徴収されることもできます。

翌年1月1日から4月30日までに退職した場合には扱いが異なります。会社によって特別徴収できなくなった残りの税額は、退職した会社から5月31日までに支給される給与、退職金等が残りの税額を超える場合には、本人の申し出がなくても5月31日までの間に支払われる給与や退職金等から一括して特別徴収されることになります。

  • 特別徴収を転職先で継続する

本記事が想定している転職の場合には、今の会社で行われていた特別徴収を転職先で継続してもらう手続を行います。


今の会社の人事総務担当部門に、「給与支払報告/特別徴収に係る給与所得者異動届出書」に所定の事項を記載し、転職先へ早急に送付してもらうよう事前に依頼しておきましょう。


これを受け取った転職先が所定の事項を書き加えて市区町村に提出すると、特別徴収する会社が転職先へと変わります。もっとも、前と同じく給与から住民税が天引きされるわけで、本人の実感としては何も変わりません。

まとめ:全体像を把握してスムーズな転職を

ここまで、転職に伴って退職する際のスケジュールと手続を解説しました。分かりにくい用語も出てきますが、手続が必要な理由や背景が分かれば、存外に単純なものです。

ただ、処理しなければならない手続のボリュームが多いので、抜け漏れのないよう注意し、退職の方向性がまとまってからは、人事総務担当部門の協力を積極的に頼るようにしましょう。

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投稿者プロフィール

しゅった
しゅった
プログラミングや株式投資、ブログなんかをやって生きています。
一児のパパでもあります。
賢く生きる為のビジネス❌格闘技の有益な情報を届けたいと思ってます!

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